【弥生会計で監査証明を得る】「印刷できない」は間違い! 期中取引がない勘定科目の総勘定元帳を印刷する方法

公認会計士として労働者派遣事業許可申請に関わる監査証明業務を提供していると、様々な企業様の経理実務に触れる機会がございます。今回は、その中で遭遇した「あるある」だけれども非常に重要な、弥生会計の操作に関するエピソードと、その解決策についてご紹介します。

監査現場で起きた「総勘定元帳がない?」事件

先日、ある企業様から労働者派遣事業許可申請のための監査証明業務をご依頼いただきました。月次決算書や試算表を拝見したところ、特に大きな問題はなさそうでしたので、監査を正式に受嘱し、帳簿類一式のご提出をお願いしました。

当然、その中には「総勘定元帳」も含まれます。

しかし、紙で印刷され提出された総勘定元帳を一枚一枚確認していくと、あるべきはずの勘定科目のページが見当たりません。具体的には、「差入保証金」や「定期預金」といった、期中に動きはないものの、期首に資産として残高が存在するはずの勘定科目です。

担当者の方に「差入保証金と定期預金の元帳がないようですが、いかがでしょうか?」と質問したところ、このような回答が返ってきました。

「弥生会計で『すべての科目を印刷』したのですが、期中に取引がない科目は印刷できない仕様なんです。」

私は、これまでに弥生会計を利用されている数多くの企業様の監査証明を担当してきた経験から、そのご説明が事実に反する(つまり、印刷は可能である)と確信していました。他の企業様では、期中増減のない科目も含めて、きちんとすべての勘定元帳を提出いただいているからです。

この「仕様で印刷できない」という誤解は、意外と多くの方が陥りがちなポイントなのかもしれません。そこで今回は、同じような状況でお困りの方のために、弥生会計で期中取引がない科目の総勘定元帳を正しく印刷する手順を解説いたします。

解決策:「仕訳がある期間だけを印刷する」のチェックを外すだけ

結論から申し上げますと、原因は弥生会計の印刷設定にあります。デフォルトの設定では、効率化のために「仕訳がある期間(=期中に取引があったもの)だけを印刷する」設定になっていることがあり、これを変更すれば解決します。

期中に取引がなくても、期首残高や期末残高が記載された元帳を印刷するための具体的な手順は以下の通りです。

■ 弥生会計:期中増減のない科目の総勘定元帳 印刷手順
  1. 総勘定元帳を開く
    クイックナビゲータの[決算・申告]または[取引]カテゴリから、[総勘定元帳]を開きます。
  2. 印刷画面を開く
    画面右上の[印刷]ボタンをクリックします。
  3. 勘定科目と書式の選択
    [印刷する勘定科目]で「すべての勘定科目を印刷する」を選択し、[書式]から「A4/縦(罫線有)」など、任意の書式を選びます。
  4. 詳細設定(最重要)
    画面右上の[書式の設定]ボタンをクリックします。表示されたウィンドウの[詳細]タブを開き、「仕訳がある期間だけを印刷する」のチェックを外します。 (上記は設定箇所のイメージです)
  5. 印刷を実行する
    [OK]をクリックして元の印刷画面に戻り、[印刷]を実行します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。たった一箇所のチェックを外すだけで、これまで印刷されなかった期中増減のない勘定科目の総勘定元帳も、きちんと出力されるようになります。

労働者派遣事業許可申請のための監査証明では、たとえ期中に動きがなくても、会社の財産状況を示す「差入保証金」や「定期預金」といった勘定科目の元帳は、監査手続き上、必要不可欠な資料です。

「仕様だから出せません」となってしまうと、監査が滞り、許可申請のスケジュールに影響を及ぼしかねません。スムーズな監査、そして迅速な許可取得のためにも、ぜひこの設定をご確認いただき、正しい帳票の準備にお役立てください。

当事務所では、労働者派遣事業許可申請に関する監査証明業務を専門的に取り扱っております。ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。。

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投稿者プロフィール

jinzaihaken
jinzaihaken
労働者派遣事業許可に必要な監査や合意された手続に精通し、数多くの企業をサポートしてきました。日々の業務では「クライアントファースト」を何よりも大切にし、丁寧で誠実な対応を心がけています。監査や手続を受けなくても財産的基礎の要件をクリアできる場合には、そちらを優先してご提案するなど、常にお客様の利益を第一に考える良心的な姿勢が信条です。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。