品質の高い監査ってどんな監査だと思いますか?
監査という業務は、ほかのサービス業と同じで「品質が高いサービス」と「品質の低いサービス」があるというのは、まあ当然、常識的にお分かりになることだと思います。
「じゃあ、どんな監査が品質の高い監査なのか」ということを、考えたことがありますか?
意外かもしれない「高品質な監査」の正体
例えば、普段、監査法人の監査を受ける機会がなく、顧問税理士の先生に税務申告書の作成だけをお願いしているような会社様の場合。
なんとなくイメージなさる「高品質の監査」っていうのは、
- 経営に役立つような助言をもらえる監査
- 会社の利益率が向上したり、売上高が伸びるようなテクニックを教えてくれる監査
こんな感じではないでしょうか?
お気持ち、よーく分かります。せっかく報酬を支払うのですから、何か目に見えるプラスの成果が欲しいですよね。
でも、ちょっと待ってください
実は、監査という業務はちょっと特殊でして、報酬を支払ってくださるクライアントに喜んでもらえる監査が高品質というわけではないんです。
品質の高い監査っていうのは、不正あるいは不適切な会計を見逃さず、的確な監査報告をする監査のことなんです。
ちょっと、皆さんのご期待に沿わない部分もあるかもしれませんね。
報酬を支払って下さらうクライアントのほうを向いているのではなく、監査報告書の読者の方を向いているわけです。
労働者派遣事業許可申請のための監査証明に限定すれば、労働局が適切な判断をできる監査証明を提供する監査が高品質の監査と言えるかもしれません。
ちょっと意外かもしれませんね。
なぜ「クライアントを喜ばせること」が品質ではないのか?
考えてみてください。
もし、監査人が「クライアントに喜んでもらうこと」を最優先にしたらどうなるでしょうか?
「この会計処理、本当は問題があるけど、指摘したらクライアントに嫌われるから、まあ、いいか」
こんな風に、問題を見逃してしまうかもしれません。
でも、それでは監査の本来の目的である「財務諸表が適正かどうかを第三者の立場から保証する」という役割を果たせなくなってしまいます。
監査報告書は、投資家や債権者、取引先など、多くのステークホルダー(利害関係者)が会社の財務状態を判断するために使う、とても重要な文書です。
だからこそ、監査人は独立した立場で、厳正に、公正に、監査を実施しなければならないのです。
品質管理基準という「ルール」があります
実は、監査の品質を保つために、「監査に関する品質管理基準」という専門的なルールが設定されています。
公認会計士は、監査の実施にあたって、このルールに従っています。
この品質管理基準では、例えば以下のようなことが求められています。
- 独立性の保持:クライアントとの関係が適切かどうか常にチェックする
- 監査チームの編成:適切な知識と経験を持った人材を配置する
- 監査調書の作成と保管:実施した監査手続を詳細に記録する
- 審査制度:監査報告書を発行する前に、別の専門家がチェックする
これらはすべて、「監査の品質を一定水準以上に保つ」ためのものなんです。
本当の意味での「高品質な監査」とは
では、改めて整理しましょう。
品質の高い監査とは、
✓ 不正や誤りを見逃さない監査
✓ 独立した立場から公正な判断をする監査
✓ 適切な監査手続をきちんと実施している監査
✓ 根拠に基づいた的確な監査報告をする監査
そして、結果として、
「財務諸表に対する信頼性を高め、ステークホルダーを守る監査」
これこそが、本当の意味での高品質な監査なのです。
もちろん、クライアントへの配慮も大切です
誤解しないでいただきたいのですが、「クライアントに喜んでいただかなくていい」と言っているわけではありません。
私たちは、監査を実施する過程で気づいた改善点や、より良い会計処理の方法などがあれば、もちろんお伝えしています。
でも、それは「監査の品質」とは別の次元の世間話なんです。
まず大前提として、厳正で公正な監査を実施すること。
その上で、クライアント企業様の成長をサポートできるような世間話もご提供する。
これが、私たち公認会計士の目指す姿です。
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預金不足の解決策、純資産不足の解決策、合意された手続、監査のお問い合わせなどお気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール

- 労働者派遣事業許可に必要な監査や合意された手続に精通し、数多くの企業をサポートしてきました。日々の業務では「クライアントファースト」を何よりも大切にし、丁寧で誠実な対応を心がけています。監査や手続を受けなくても財産的基礎の要件をクリアできる場合には、そちらを優先してご提案するなど、常にお客様の利益を第一に考える良心的な姿勢が信条です。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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