合意された手続にあたって必要となる書類(7)「売掛金」の最近の取引1件を抽出し、その取引の請求書

合意された手続に必要な提出資料について

(7)「売掛金」の最近の取引1件を抽出し、その取引の請求書

合意された手続では、会計処理の適切性を確認するために、実際の取引のサンプルチェックを行います。その際に、売掛金の取引に関する請求書をご提出いただきます。

対象となる取引の選定方法

どの取引を抽出するかは、会社様と当事務所との間でお打ち合わせさせていただいて決定させていただきますが、以下の点については予めお伝えさせていただきたいと思っております。

重要なポイント:売掛金の「増加取引」を抽出します

売掛金の減少取引ではなく、売掛金の増加取引を1件抽出するという点については、予めご理解いただければと思います。

売掛金の増加取引とは

  • お客様に対して売上高を計上し、同時に売掛金を計上した取引
  • つまり、「商品を販売した」「サービスを提供した」際に発生した売掛金

売掛金の減少取引(対象外)

  • お客様から入金があり、売掛金が減少した取引
  • つまり、「売掛金を回収した」取引

この作業の目的

すなわち、売上高と売掛金を計上した取引について、その証憑を確かめるというのが、この作業の目的となります。

具体的には、

  • 実際に売上取引があったことを確認する
  • その売上に対応する売掛金が適切に計上されているかを確認する
  • 請求書の内容と会計処理が一致しているかを確認する

これらを検証することで、月次決算書に計上されている売掛金が実在し、適切に処理されていることを確認します。

抽出する取引の選び方

ですから、無理のない範囲で売掛金の計上額が大きいものを、対象となる月次決算の期間中からサンプリングしてチェックするということになります。

選定基準

  1. 対象期間内の取引:対象となる月次決算の期間中(例:10月1日~10月31日)に発生した売上・売掛金計上取引
  2. 金額が大きいもの:無理のない範囲で、売掛金の計上額が比較的大きい取引
  3. 請求書が確実にあるもの:証憑(請求書)が手元にある取引

選定の流れ

  1. 対象期間中の売掛金取引のリストをご確認いただきます
  2. 会社様と当事務所でお打ち合わせの上、サンプルとなる取引を選定します
  3. 選定した取引の請求書をご提出いただきます

ご提出いただく書類

請求書のコピー(または原本のスキャン): 選定した取引について、以下の情報が記載されている請求書をご提出ください。

  • 請求先(お客様名)
  • 請求日付
  • 請求内容(商品名、サービス内容など)
  • 請求金額
  • 消費税額
  • 合計金額

請求書の形式

  • PDFファイル、スキャンデータ、コピーのいずれでも問題ありません
  • 請求書が電子データ(電子請求書)の場合は、そのPDFファイルをそのままご提出ください

売掛金がない場合:未払金の取引を確認します

会社様によっては、売掛金がほとんど発生しない業態の場合もあります。

売掛金がない、または少額の場合: その場合は、「未払金」の取引を対象として、同様にサンプルチェックを行います。

未払金の場合の対象取引

  • 未払金の増加取引(仕入や経費を計上し、未払金を計上した取引)
  • 対象となる月次決算の期間中に発生したもの
  • 金額が比較的大きいもの

ご提出いただく書類: 選定した未払金取引について、以下のいずれかをご提出ください:

  • 取引先からの請求書
  • 納品書
  • 契約書
  • その他、取引を証明できる書類

サンプル選定のタイミング

サンプル取引の選定は、当事務所が総勘定元帳などを確認した後に行います。

流れ

  1. 会社様から総勘定元帳等の資料をご提出いただく
  2. 当事務所で売掛金(または未払金)の取引を確認
  3. 当事務所から候補となる取引をいくつかご提示
  4. 会社様と相談の上、サンプルとなる取引を決定
  5. 該当する請求書をご提出いただく

よくあるご質問

Q. どの取引を選べばよいか、自分で判断できません。 

A. ご安心ください。当事務所から候補となる取引をご提示しますので、その中から選んでいただく形になります。会社様が一方的に判断する必要はありません。

Q. 売掛金の計上額が大きいものとは、具体的にどのくらいの金額ですか? 

A. 会社様の規模や業態によって異なりますが、対象期間中の売掛金取引のうち、上位に入るような金額のものを選定します。具体的な基準は、お打ち合わせの際にご説明いたします。

Q. 請求書を発行していない取引(口頭での取引など)の場合はどうすればよいですか? 

A. 請求書以外にも、納品書、契約書、注文書、メールのやり取りなど、取引を証明できる書類があれば代替可能です。どのような書類があるか、お打ち合わせの際にご相談ください。

Q. 請求書を紛失してしまった場合はどうすればよいですか? 

A. 取引先に再発行を依頼するか、他の証憑(納品書、契約書など)で代替できないか検討します。まずは当事務所にご相談ください。

Q. 電子請求書(PDFなど)でも問題ありませんか? 

A. はい、問題ありません。電子請求書のPDFファイルをそのままご提出ください。

Q. 売掛金も未払金もほとんどない会社です。どうすればよいですか? 

A. その場合は、別の勘定科目の取引をサンプルとして確認する方法を検討します。会社様の実態に合わせて柔軟に対応いたしますので、ご安心ください。

Q. 1件ではなく、複数件の請求書を提出する必要がありますか? 

A. 状況によっては追加で別の取引の証憑をお願いする場合もございます。

Q. 売掛金の増加取引ではなく、減少取引(入金取引)の証憑ではダメですか? 

A. 合意された手続では、売上と売掛金の計上が適切に行われているかを確認することが目的ですので、売掛金の増加取引(売上計上時)の証憑が必要です。入金取引の証憑では、売上計上の適切性を確認できないため、対象外となります。

Q. サンプル取引の選定にはどのくらい時間がかかりますか? 

A. 当事務所が総勘定元帳を確認してから、候補となる取引をご提示するまで、通常1~2営業日程度です。その後、会社様に該当する請求書をご準備いただく時間を含めて、数日程度を見込んでいただければと思います。

Q. 請求書の原本を提出する必要がありますか? 

A. いいえ、コピーやスキャンデータで問題ありません。原本は会社様で大切に保管してください。

ご不明な点やご質問がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。書類の準備についても、丁寧にご説明させていただきます。

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投稿者プロフィール

jinzaihaken
jinzaihaken
労働者派遣事業許可に必要な監査や合意された手続に精通し、数多くの企業をサポートしてきました。日々の業務では「クライアントファースト」を何よりも大切にし、丁寧で誠実な対応を心がけています。監査や手続を受けなくても財産的基礎の要件をクリアできる場合には、そちらを優先してご提案するなど、常にお客様の利益を第一に考える良心的な姿勢が信条です。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。