基準資産額を増やすための「税効果会計」の活用法
労働者派遣事業を始めるにあたって、最初の難関となるのが厚生労働大臣の許可申請です。その中でも、多くの事業者が頭を悩ませるのが財産的基礎の要件ではないでしょうか。基準資産額がクリアできず、許可申請を諦めざるを得ないケースも少なくありません。
しかし、諦めるのはまだ早いです!実は、税効果会計という会計処理を適用することで、基準資産額を増やせる可能性があるのです。
今回の記事では、労働者派遣事業許可申請における財産的基礎の要件と、税効果会計を適用して基準資産額を増やす方法について、専門家の視点から徹底的に解説します。
(1)税効果会計を適用すれば基準資産額を増やすことができると聞いたけれど、どういうロジックか?
労働者派遣事業許可申請における財産的基礎の要件では、基準資産額として以下の両方を満たす必要があります。
- 基準資産額 ≧ 2,000万円 × 事業所数
- 基準資産額 ≧ 負債の部の金額 ÷ 7 (※基準資産額 = 純資産の額 ー 繰延資産 ー 営業権)
税効果会計を適用することで、この計算式に影響を与える可能性があります。具体的には、税効果会計を適用することで「繰延税金資産」という資産を計上できる場合があります。繰延税金資産が計上されると、上記の計算式における純資産の額が増加するため、結果として基準資産額を満たしやすくなるというロジックです。
ただし、税効果会計はすべての企業に適用できるわけではありません。また、適用したからといって必ず繰延税金資産が計上されるわけでもありません。税効果会計の適用要件や、繰延税金資産の計上可能性について、しっかりと確認する必要があります。
(2)税効果会計とはなにか
ここからは、税効果会計について詳しく解説していきます。税効果会計は、企業会計と税務会計のズレを調整し、財務諸表の情報をより正確に伝えるための会計処理です。
2.1. 税効果会計の目的:期間損益の適正化
企業会計(財務会計)と税務会計は、それぞれ異なる目的を持っています。
- 企業会計: 企業の財政状態や経営成績を株主や債権者などの利害関係者に適切に開示することを目的とします。
- 税務会計: 課税の公平性を確保し、税法に基づいて税額を計算することを目的とします。
そのため、収益や費用の認識基準、資産や負債の評価方法などが異なる場合があります。その結果、企業会計上の利益(税引前当期純利益)と税務会計上の所得(課税所得)にズレが生じることがあります。
このズレを放置すると、税金費用が本来負担すべき期間に配分されず、期間損益が歪められてしまう可能性があります。税効果会計は、このズレを調整し、税金費用を適切な期間に配分することで、期間損益を適正化することを目的としています。
2.2. 税効果会計の仕組み:一時差異と将来減算(加算)一時差異
税効果会計では、企業会計と税務会計のズレの原因となる「一時差異」に着目します。一時差異とは、資産または負債の会計上の帳簿価額と税務上の帳簿価額との間に生じる差異で、将来において解消されると見込まれるものです。
一時差異には、将来の課税所得を減らす効果を持つ「将来減算一時差異」と、将来の課税所得を増やす効果を持つ「将来加算一時差異」の2種類があります。
- 将来減算一時差異: 将来、課税所得を減らす効果を持つ一時差異。例えば、税務上は損金として認められるが、会計上は費用として認識されていない引当金など。
- 将来加算一時差異: 将来、課税所得を増やす効果を持つ一時差異。例えば、会計上は償却費として認識されていないが、税務上は償却費として認識されている特別償却など。
2.3. 繰延税金資産と繰延税金負債
税効果会計では、将来減算一時差異に対して「繰延税金資産」、将来加算一時差異に対して「繰延税金負債」を計上します。
- 繰延税金資産: 将来減算一時差異が解消される際に、将来の税金負担を軽減する効果を持つ資産。
- 繰延税金負債: 将来加算一時差異が解消される際に、将来の税金負担を増加させる効果を持つ負債。
繰延税金資産は、将来の税金負担を軽減する効果を持つため、貸借対照表の資産の部に計上されます。これが、税効果会計を適用することで基準資産額を増やせる理由です。
2.4. 繰延税金資産の計上要件:回収可能性の検討
繰延税金資産は、将来の課税所得によって回収可能である場合にのみ計上できます。つまり、将来において十分な課税所得が見込まれる場合に限られます。
繰延税金資産の回収可能性の判断は、非常に専門的な知識を必要とします。企業の過去の課税所得(ひらたく言えば業績ですね)、将来の事業計画、経済状況などを総合的に考慮し、慎重に判断する必要があります。
(3)税効果会計を適用することで増やせる基準資産額はどうやって計算するの?
税効果会計を適用して基準資産額を増やすためには、繰延税金資産の金額を正しく計算する必要があります。以下に、繰延税金資産の計算方法の概要を説明します。
- 一時差異の把握: 企業会計と税務会計の間に生じている一時差異を洗い出します。
- 将来減算一時差異と将来加算一時差異の区分: 洗い出した一時差異を、将来減算一時差異と将来加算一時差異に区分します。
- 繰延税金資産の計算: 将来減算一時差異の合計額に、将来の税率を乗じて繰延税金資産を計算します。
- 繰延税金負債の計算: 将来加算一時差異の合計額に、将来の税率を乗じて繰延税金負債を計算します。
- 回収可能性の検討: 繰延税金資産について、将来の課税所得によって回収可能かどうかを検討します。回収可能と判断された金額のみを繰延税金資産として計上します。
例:
- 将来減算一時差異:500万円(引当金など)
- 将来の税率:35%
この場合、繰延税金資産は、500万円 × 35% = 175万円となります。ただし、175万円全額を繰延税金資産として計上できるかどうかは、回収可能性の検討結果によって異なります。
(4)税効果会計を適用しても預金残高は増えない
最後に、税効果会計に関する重要な注意点です。
税効果会計は、あくまで会計上の処理であり、実際に会社の預金残高が増えるわけではありません。
税効果会計を適用して基準資産額を増やせたとしても、それは財務諸表上の見せかけに過ぎません。労働者派遣事業を適切に運営するためには、十分な資金力が必要です。税効果会計に頼るだけでなく、事業計画の見直しや資金調達など、本質的な対策を講じることが重要です。
まとめ
今回の記事では、労働者派遣事業許可申請における財産的基礎の要件と、税効果会計を適用して基準資産額を増やす方法について解説しました。
税効果会計は、基準資産額を満たすための有効な手段の一つですが、適用要件や回収可能性の検討など、専門的な知識が必要です。税理士や会計士などの専門家に相談しながら、慎重に進めることをお勧めします。
また、税効果会計に頼るだけでなく、事業計画の見直しや資金調達など、本質的な対策を講じることが、労働者派遣事業を成功させるための鍵となります。
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投稿者プロフィール

- 労働者派遣事業許可に必要な監査や合意された手続に精通し、数多くの企業をサポートしてきました。日々の業務では「クライアントファースト」を何よりも大切にし、丁寧で誠実な対応を心がけています。監査や手続を受けなくても財産的基礎の要件をクリアできる場合には、そちらを優先してご提案するなど、常にお客様の利益を第一に考える良心的な姿勢が信条です。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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