合意された手続で必要となる「経営者確認書」とは?提出しないとどうなる?

労働者派遣事業の許可更新で合意された手続を利用される会社様には、公認会計士から「独立業務実施者の合意された手続実施結果報告書」をお受け取りいただくのと同じタイミングで、「経営者確認書」を当事務所に差し入れていただく必要があります

「また書類か」と思われるかもしれませんが、これは専門業務実務指針4450(労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針)の第14・15・16項に明確に規定されている必須書類です。

なぜ経営者確認書が必要なのか?

合意された手続は「監査」とは異なり、公認会計士が財務諸表の正確性を保証するものではありません。あくまで事前に合意した手続を実施して、その結果を報告するものです。

決算書の正確性については経営者自身が責任を持つ必要があり、それを明確にするのが経営者確認書の役割です。

【重要】経営者確認書に記載する2つの事項

実務指針第14項により、経営者確認書には以下の2点を必ず記載していただきます:

  1. 中間又は月次決算書及び年度決算書の作成責任は経営者にある旨
    → 「この決算書は私たち経営陣が作成したものです」という宣言
  2. 要請のあった合意された手続業務の実施に関する全ての情報を提供した旨
    → 「公認会計士に必要な情報はすべて開示しました」という確認

経営者確認書の日付は要注意!

実務指針第15項では、経営者確認書の日付は実施結果報告書の日付より後であってはならないと定められています。

なぜこのルールがあるのか?

経営者確認書は「この決算書に責任を持ちます」という経営者の意思表示です。公認会計士が実施結果報告書を発行する前に、経営者が決算書の責任を認めている必要があるからです。

実務上のポイント:

  • 実施結果報告書の日付: 例えば2025年12月25日
  • 経営者確認書の日付: 2025年12月25日以前(同日も可)

当事務所では、両方の書類を同日付で発行・受領するケースがほとんどです。

「経営者確認書を提出しない」とどうなる?

ここが多くの経営者様が疑問に思われる点です。

実務指針では、「公認会計士は経営者確認書の提出を要請しなければならない」と定められています。しかし、実際に提出されなかった場合の対応については、第16項で以下のように規定されています:

経営者確認書が得られない場合の対応(第16項)

  1. 当該事項について、業務依頼者と協議する
    → まずは「なぜ提出できないのか?」を話し合います
  2. 業務依頼者の誠実性を評価し、手続実施結果に及ぼす影響を勘案して、実施結果報告書の提出の留保を含め、適切な措置を講じる
    → 場合によっては実施結果報告書を発行できないこともあります

正直なところ、現場ではどうなる?

実務指針では「要請する義務」は明確ですが、「提出されなかった場合の絶対的な取り扱い」までは詳細に定められていません。

そのため、公認会計士としては:

  • 経営者確認書の提出を強く要請する
  • 提出されない場合は、その理由を確認する
  • 会社様の誠実性に疑義がある場合は、実施結果報告書の発行を見送る可能性がある

という対応になります。

結論
「絶対に提出しないと実施結果報告書が出ない」とは言い切れませんが、実務上は必須書類として考えていただくべきです。提出しないメリットはありません。

経営者確認書のひな形は当事務所で用意します

「どんな書類を作ればいいの?」とご心配の必要はありません。

当事務所では、実務指針に準拠した経営者確認書のひな形を用意しております。ご依頼いただいた際に、記載例とともにお渡ししますので、社名・日付・代表者名を記入し、押印いただくだけです。

よくあるご質問

Q1: 経営者確認書は誰が署名するのですか?

A: 代表取締役(代表者)が署名・押印してください。決算書の作成責任を負う立場の方が署名する必要があります。

Q2: 実施結果報告書と同時に提出できない場合は?

A: 実務上、当事務所では両書類を同時にやり取りするケースがほとんどです。万が一タイミングがずれる場合は、事前にご相談ください。

Q3: 経営者確認書の内容に虚偽があった場合は?

A: 虚偽記載があった場合、法的責任を問われる可能性もあります。正確な内容でご提出ください。

まとめ: 経営者確認書は「形式的だが必須」の書類

経営者確認書は、実務指針で明確に定められた必須書類です。

  • 提出タイミング: 実施結果報告書と同時
  • 記載内容: 決算書の作成責任と情報提供の確認
  • 日付の注意点: 実施結果報告書の日付以前
  • 提出しない場合: 実施結果報告書が発行されないリスクあり

「また面倒な書類が」と思われるかもしれませんが、ひな形への記入と押印だけで完了します。許可更新という重要な手続きをスムーズに進めるため、ご協力をお願いいたします。

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投稿者プロフィール

jinzaihaken
jinzaihaken
労働者派遣事業許可に必要な監査や合意された手続に精通し、数多くの企業をサポートしてきました。日々の業務では「クライアントファースト」を何よりも大切にし、丁寧で誠実な対応を心がけています。監査や手続を受けなくても財産的基礎の要件をクリアできる場合には、そちらを優先してご提案するなど、常にお客様の利益を第一に考える良心的な姿勢が信条です。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。